韓国の動向と慎重な対応

1 仕事に時間の余裕が出来た時に慌てて書いたりするので、このブログは内容的に不充分なだけでなく、現象的にもたまに思い出したようにしか掲載できない。実のところ、この世の中には「腹ふくるる」事柄などは、毎日のように起きている。

 

2 最近では東京オリンピックのこともそのひとつだろうか。

現在のオリンピックは完全に商売と化していて不快極まりない。かくも商売主義に毒されたオリンピックなどに何故何兆円もの税金をつぎ込んでまで日本でやるのか、私には理解できない。初めの頃は確か新聞の論調にも、東京オリンピック反対論がそれなりにあったのだが、最近はいつの間にかオリンピック歓迎一色になってしまっている。

それにしても、マラソンや競歩を「札幌で実施」などと聞くと、小池知事ではないが、それなら北方領土でどうですか、と言いたくもなろう。真夏の(東京での)オリンピック開催など、大スポンサーである米国テレビ局の勝手な都合でしかない。

そういえば、前回の東京オリンピックは10月10日(体育の日)の快適な気候の下での開催だった。当時も反オリンピック派だった私自身は、その日は山に出掛けていた。その日は本当に紅(黄)葉がきれいで、下から見上げる葉叢が一枚一枚の葉脈まで秋の陽に透きとおっていた。

まさに透明な山の紅(黄)葉だった。

 

3 初期の頃はよく知らないが、少なくとも戦後のオリンピックは、モスクワを例にとるまでもなく、常に政治的に利用されてきた(もっともスポーツにはメジャーになればなる程政治的色彩をまとうようになる側面がある)。

商業主義への傾斜もオリンピックの政治利用のひとつの発現形態である。

先の東京オリンピックでも、北朝鮮選手団の問題があった。

その時日本は韓国に助けを求めた。

 

4 ところで、話は全く別だが、このところ両国で嫌韓だとか反日だとかの大衆的マスコミ発言が目立つようになった。

殊に韓国大統領の発言やら対応についての論評もかまびすしい。

ただ、ここで時間の単位を1年とか2年とかの超短期ではなく、中長期的に50年とか100年という、少し長くとった中で考えてみてほしい。

中期的にみた場合、多分、韓国と北朝鮮は統一されてゆくと思う。この情報化社会の中で、北の政権がいつまでも到底無傷で存続し続けることは不可能である。遅かれ早かれ転機が訪れる。

その時韓国は、アメリカを友邦とみなしながら対応していくのか、中国に擦り寄りながら、統一を具体化するのか。

 

5 地政学的には、中国であろう。ただ、更に長いスパンで歴史を予見しようとするなら、中国はヤバイ。

戦後独立後の中国は、本質的に歴史に逆行している。

別に民主主義こそ人間の進むべき唯一の政治的体制だとまでは言わないが、人間の過去の歴史をふり返るなら、例えば日本国憲法も民主主義のひとつの優秀な規範的モデルであり、歴史的進歩の現れである。

その点、ソ連(ロシア)にしても中国にしても、歴史に逆行しているから危険なのである。

 

6 しかし韓国の場合、理念的な政治制度の優劣という以上に北との統一という現実的政治課題の存在を避けて通れない民族的願望が強く充満している。

南北統一が具体的な政治日程にのぼったとき、韓国にとって何よりも重要な政策課題は、最貧国のひとつである北朝鮮を抱えるに足るだけの経済基盤を用意することである。

韓国が現在の経済基盤を築く当初の重要な資金は日本からの戦後賠償金にあったことは、すぐわかるであろう。当時の韓国の国民総生産と日本からの賠償金額を調べてみれば、容易に推認できよう。

そして韓国の現在の経済的繁栄は、日本株式会社によるその後の経済的資本投下が少なからざる貢献をしていることも、また否定しえないところである。

 

7 北朝鮮一国を丸抱えするには、韓国の経済力にはまだ不安がある。そこで期待されるのは、政治的な身売と引換にしてでもほしい中国の支援であり、そしてまた、何より「正当な権利」としての「北朝鮮の日本に対する戦後賠償」である。しかし統一が韓国による北朝鮮の法的吸収合併である限り、韓国がどの時点から、どの様な論理と方法で日朝交渉に顔を出してゆくかは、重要な戦術的課題になろう。

こうしてみてくると、戦後75年も経って(現在の中堅世代は戦前の同世代とは既に3世代を隔絶している)「慰安婦問題」だったり、当時の日本企業による労働者の「強制連行問題」としてその賠償について、何故にこれを敢て日韓条約の存在に目をつぶり、韓国が声高に今頃騒ぎ立ててくるのか、わかるであろう。

確かに国家間の条約が何であれ、個々の国民の権利が国家によって一方的に奪われるものではない。しかし、それは当該国家と国民との内部関係でしかない。

もちろん、法的な意味を捨象すれば、イデオロギーとしての「歴史認識」という用語も同じ背景で立ち現われる。

 

8 韓国が北朝鮮を手に入れるということは、北の豊富な地下資源と共に、核兵器の技術とミサイルというその運搬手段を入手するということである。

この点では、将来、対米関係のみならず、対中関係でも一定の独立性を維持しつつ、対等にわたりあえるだろうとの、韓国の政治戦略が組立てられているのかも知れない。もちろん、日本に対しても重大な外交的圧力として作用する。

政治的のみならず軍事的に日本も充分に心しなければならない重要かつ危険な事柄である。