修習生向けに破産法基礎コースの講義を担当(R元.10.16)

10月16日に,東京地方裁判所より依頼され,修習生向けの,選択型実務修習プログラム(破産法基礎コース)「破産事件と弁護士」の講義を担当してきました。

修習生の選択型実務修習とは,司法試験に合格したいわゆる司法修習生が,実務修習中に,裁判所・検察庁・弁護士会が提供するプログラムを自主的に選択する制度です。選択型実務修習に関しては,私は弁護士会でも,消費者被害事件についての講義を担当したことがあるのですが,今回は裁判所の破産部(20部)から依頼されましたので,破産事件と弁護士との関わりについて講義をしてきました。

弁護士は,破産事件において,①債務者(破産申立)の代理人,②債権者の代理人(原則として届出・異議手続等に関与しますが,例外的に債権者破産申立を行うこともあります),③破産管財人,の3つの立場から関わることがあり,私はそのいずれも経験していますが,破産事件において重要なのは,どの立場においても破産手続の目的を尊重しなければならないということです。すなわち,破産手続の目的は,①債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに,②債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることにあるのですが(破産法1条),いずれの立場からもこの両方の視点から考えられるような,バランス感覚が特に求められるということをお話しました(勿論,立場によって置く比重は異なり,このあたりが経験や力量によって幅があることになります。)。

最近の修習生の方々はとても真面目で,質問も積極的にして頂きました。また機会があれば,担当してみたいと思います。