2020年1月

新年雑感

1 年末に日産のゴーン被告人が,日本の司法制度を批判しつつ,レバノンに逃げ出した。その司法制度批判は理解するが,その批判が大金持ちの我身かわいさの故,というあたりが透けてみえると鼻白らむ。 確かに日本の刑事司法は,「保釈制度の日本的運用」をテコにして,推定無罪の原則を戯言化する程に「人質司法」と非難されてもやむをえない現状にある。刑事弁護の一線にある弁護人からすれば,この人質司法はどんなに批判して […]

オリンピック礼賛報道の危険性

1 東京オリンピックについて,重ねて述べておきたい。 令和も年末から年始に至って,テレビも新聞もいずこも東京オリンピックの報道だらけとなっている。NHKあたりがちょうちん報道や番組ばかりになるのは多少うなづけないではないが(もっとも,広くかつ強制的に視聴料を取り立てる制度的な仕組みからすれば到底許される話ではないが),マスコミ各社の紙面がオリンピック礼賛記事に溢れかえるのは,何とも情けない話である […]