不法行為制度研究会で「取引的不法行為の関与者の責任」について報告

私(島幸明)の今年の夏期休業は,8月14日〜16日の予定です。
もっとも,事務所自体は業務を行っておりますので,この期間中に緊急の要件がおありになる場合は,事務所にご連絡下さい。
よろしくお願い致します。

平成29年7月15日,早稲田大学の瀬川信久教授が代表をされている不法行為制度研究会にお呼び頂き,「取引的不法行為の関与者の責任」について,報告をさせて頂きました。
同日は,多くの,重鎮の民法の先生方がいらっしゃった上,私の報告の前に,齊藤雅弘弁護士から「プラットフォーム事業者の責任―日本法の現状と課題―」という素晴らしい報告がありましたので,私の拙い報告をするのはとても恐縮したのですが,できるだけ,現在の実務に沿った報告をさせて頂きました。
取引的不法行為の関与者の責任を追及する場合,共同不法行為責任や幇助責任を追及することになるのですが,共同不法行為責任に関する学説は,公害事件等を中心に議論が発展してきた側面があり,取引的不法行為の分野においては,未だこれを整理した論説は多くはありません。私が事務局長をしていた先物取引被害全国研究会や,東京投資被害弁護士研究会では,これらの分野について,様々な研究や報告をしてきましたが,やはり深い考察に基づいた学説となるには,研究者のお力が必要です。
以下は,報告の目次です。
 

取引的不法行為の関与者の責任

第1 総論
1 取引的不法行為において関与者の責任を追及する理由
2 裁判実務における問題点 
3 取引的不法行為の関与者の形態
 
第2 勧誘に関与していない者の共同不法行為(幇助)責任
1 序論 
2 責任を肯定した事例(東京地判平成20年12月22日,証券取引被害判例セレクト33巻341頁,ウエストロージャパン。参考裁判例①) 
3 責任を否定した事案(東京地判平成25年8月22日,未公刊。参考裁判例②)
4 検討
 
第3 取引ツール提供者の責任
1 序論
2 電話の契約手続をした者の責任  
3 私設私書箱事業者の責任(東京地判平成26年12月10日,消費者法ニュースNo103等。参考裁判例④-1)
 
第4 まとめ

以 上