サクラサイト被害について逆転勝訴判決(東京高判平成25年6月19日)

平成25年6月19日,東京高等裁判所で,いわゆるサクラサイトの被害について,被害者側の逆転勝訴判決が下されました。
http://www.daily.co.jp/gossip/2013/06/14/0006075195.shtml
サクラサイトとは,「サクラ」を用いてお金を援助するなどと言って,ポイント代金や「個人情報開示コード」の費用等の名目で,多額の被害を被らせるという悪質な出会い系サイトのことで,ここ2〜3年,同様の被害が目立っています。
そのような中,上記の判決となったものですが,この事件は高裁の段階から,私も所属しているクレジット・リース被害弁護団(http://www.kajouyosin.com/)の弁護士が中心となり,全国で弁護団を結成して,獲得したものです。
1審(横浜地方裁判所)では,別の弁護士が担当していましたが,被害者側の主張はあっさり否定されて請求棄却されていました。そこで,全国のこの種被害を扱う弁護士が弁護団を結成して主張・立証を重ねて,今回のような結論になったものです。    時に消費者側に厳しいとも言われる東京高等裁判所がこのような判断を下したことは,この種被害に対して大きな意味を持つものと思っています。
いわゆるサクラサイトの被害は,立証(メールのやりとりやメール相手がサクラであること)が容易でないことが多いですが,これについて上記判決は,見たこともない者に対して「資金援助をする」ということはあり得ない不自然な話で相手方が実現する意思能力がないことが明らかであること,メール相手の指示に合理性がないこと,高額な利用料を支払わせることによって利益を得るのはサイト運営業者であることなどから,当該メール相手は一般会員ではなく,サイト運営業者が組織的に使用していた者(サクラ)であると認定されています。このような事実認定は,とても自然で合理的なものであると思います。
最近,「ウイングネット」という業者関連で逮捕の報道がなされていますが,電子メールやfacebook等で,いわゆるサクラサイトの勧誘メッセージが沢山来て不快な思いになっている方は多いはずです(私も同様です。)。このような悪質商法は,早いところ根絶したいと思います。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130619-00001042-yom-soci