未公開株詐欺,社債詐欺,通貨詐欺に関する一斉告発

本日,近時多発している未公開株詐欺,社債詐欺,通貨詐欺等について,東京三弁護士会の消費者対策委員会に所属する有志の弁護士が告発人となり,警視庁に一斉告発をしました。
被害者数は合計76名,被告発者数は合計187名(業者含む),被害総額は10億8959万2590円にも上ります。しかし,私の実感では,これでも氷山の一角にすらならないと思います。
私 は,第二東京弁護士会の副委員長(金融サービス部会の部会長)をしている関係で,今回の一斉告発の担当となり,告発状の取りまとめなどをしてきました(告 発人の1人でもあります。)。本来は3月に一斉告発をする予定でしたが,震災の影響で延期され,今回,ようやく一斉告発を行うことができました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110518/t10015965491000.html
伝統的な未公開株詐欺事案は,未公開株を「上場します。」などと言って,高値で売り付ける商法でしたが,近時は第三者の買い取り業者を装う役割をする者が,「○○の株をお持ちでしたら高値で買い取ります」などと持ちかけたりするなど,手口が巧妙化してきました。
最近は会社を安価に設立することができるようになっていることから,株式や社債を発行するためだけに会社自体を設立する事例も多くみられます。その場合,会社の事務所はヴァーチャルオフィスであったり,電話番号はレンタルであったりするなどするケースがほとんどです。
これらの「ツール」が,悪質業者のために利用されていることが被害拡大の一因になっていることは,間違いありません。ご相談を受けた場合は,まず預金口座の凍結や(http://furikomesagi.dic.go.jp/),相手方の探知・調査を行い,被害回復の道筋を探していくことになります。
本日は,お昼に一斉告発を行った後,夕方から,上記の預金口座の凍結に関連する「振り込め詐欺救済法の概要と実務」について委員会の部会で講義をしてきました。これについては,別の記事としたいと思います。