金融商品取引法の無登録業者に対する規制・罰則強化を求める意見書を発出しました

日々の業務にかまけて、このブログも相当ご無沙汰してしまっておりますが、今年は少しずつ更新していきます。。。

この度、私が携わっている日弁連の消費者問題対策委員会と、東京投資被害弁護士研究会から、金融商品取引法(金商法)の無登録業者に対する規制・罰則強化を求める意見書が相次いで発出されました。私は、その両方で意見書作成に関与しましたので、以下、その背景を簡単に紹介しつつ、概要を報告させて頂きます。

近年、SNS型投資詐欺や海外の無登録業者による投資被害は深刻化の一途をたどっています。無登録業者による金融商品取引の実態は「詐欺」であるケースがほとんどですが、詐欺罪には高いハードルがあり、結果として金商法の「無登録営業」という罪でしか立件できないことが往々にしてあります。そして、金商法の無登録営業の罪は、その被害の大きさにもかかわらず法定刑が5年以下の拘禁刑等にとどまることから、初犯だと執行猶予が付されてしまうという問題があります。今回の意見書は、こうした被害を予防するため、法執行や罰則の強化を強く求めるものです。

今回の意見書が反映されて罰則が強化されることは、違法な業者の抑止につながるだけでなく、国民の大事な資金が正しい投資、登録を受けた金融商品取引業者に向かうための一歩になると考えます。

今後も、投資被害の根絶と適正な金融市場の実現に向け、微力ながら尽力してまいる所存です。


日弁連:無登録業者への法執行強化を求める意見書(2026年1月16日付)

日弁連は、2026年の通常国会に提出予定の金商法改正案を見据え、以下の3点を中心とする意見書を公表しました

  • 犯則調査権限の追加: 証券取引等監視委員会が令状に基づき強制調査(臨検・捜索・差押え)を行える対象に、無登録営業の罪を追加すべきとしています

  • 契約の原則無効化: 投資者保護のため、無登録業者との金融商品取引契約は原則として無効とすべきだと提言しています

  • 罰則の見直し: 5年以下の拘禁刑という現状の罰則は抑止力として不十分でありとして、法定刑の引き上げや加重類型の創設を求めています。

東京投資被害弁護士研究会:無登録業者に対する罰則強化を求める意見書(2026年1月27日付)

東京投資被害弁護士研究会からも、より具体的な罰則強化を求める意見書が提出されました 。この意見書では、「スカイプレミアム」、「ジュビリーエース」、「ウインメディックス」などの実例を挙げ、現行の罰則が軽きに失すると指摘しています

  • 10年以下の拘禁刑への引き上げ: 貸金業法では無登録営業に10年以下の拘禁刑が課されていることとの均衡等から、金商法でも同等の罰則(10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金)に引き上げるべきとしています

  • 組織的犯罪への加重処罰: 財産上の利益を得る目的で組織的に行われた場合には、「10年以下の拘禁刑および3,000万円以下の罰金」といった加重処罰類型の検討も求めています


【参照資料】