イラクディナール スーダンポンド 詐欺(いわゆる通貨詐欺)

本日、部会長をしている金融サービス部会で、イラクディナール、スーダンポンドなどの通貨を利用した詐欺事案(いわゆる通貨詐欺)について、勉強会をやりました。
こ の詐欺は、イラクディナール、スーダンポンドなどの流通性が低い「通貨」を、「イラクは有望なので、400倍位になります。」などと嘘を言って、実際は 2000円程度の価値しかないイラクディナール(25000イラクディナール。しかも売ることも難しい)を5〜10万円で販売するなどというものです。最 近では、買取り業者を装った者から「イラクディナールをお持ちでしたら、50万円で買い取ります」などという電話をかけるなど、劇場型の詐欺事案も増加し ています。
完全な詐欺ですが、一応、イラクディナール現物を送ってきたりするところが芸が細かいところです。
外為法で は、1か月の取引合計額が100万円相当額を超える両替業者は報告が必要とされており、これに違反した場合は6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰則があ ります。しかし、当然ですが外為法の規定は、これらの業者には何の効力も持たないだけでなく、むしろこれらの業者は、外為法の規定を「私たちは国に報告を して認められている業者です」などという詐欺の手段に利用するようです。
これは、投資詐欺の業者が、適格機関投資家等特例業者の届出制度 を利用するケースに似ています。これに対し金融庁は、赤字で「●下記届出をもって金融庁が届出者の信頼性を保証するものではありません。」と注記したり、 連絡がつかなくなっている業者のリストを公表するなどの対応を取っていますが、最近ではこういう届出や認可等を不自然に強調する業者は、逆に怪しいと思わ なければならないという皮肉な状況が生じているのです。
http://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/tokurei/01.pdf