わたしは消費者 平成29年9月1日号に「消費者団体訴訟制度」について寄稿

8月以降,全く更新していませんでしたが,サボっていた訳でも,病気になっていた訳でもなく,ただただ日常業務が忙しかったことが原因です。もちろん,生活の中に,例えば将棋などもなかった訳ではありませんが,将棋も日常業務のうちの1つであり,これはノーカウントと言わざるをえません。

それはそれとして,日常業務以外のこともやっていなかった訳ではなく,論文等の執筆や講義等もしていましたので,時間が見付かったときに書いて行きたいと思います。

 

さて,その内の1つですが,東京都の消費生活センターが発行している,教員向けの「わたしは消費者」という季刊誌の平成29年9月1日号に,「消費者団体訴訟制度について」と題する解説文を寄稿しました。

消費者団体訴訟制度とは,「日本版クラスアクション」とでもいうべきものです。  事業者の不当な行為によって消費者が被害を受けた場合に,直接の被害者ではない「消費者団体」が,一般の消費者に代わって,差止めや被害回復を裁判で請求するという制度で,その手続などを定める「消費者裁判手続特例法」が平成28年10月1日に施行されたことなどから,注目を集めています。

この制度がどうなるかは今後の運用次第ではありますが,この制度が活発に活用されれば,日本の消費者被害の救済も変わる可能性があります(消費者向けに営業をしている企業も,このような制度が出来たことは認識しておく必要があります。)。

ネットでいつでも無料で見られるのがこの季刊誌の良いところですので,ご興味がおありの方は,是非,ご覧下さい。

(https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/manabitai/shouhisha/)

不法行為制度研究会で「取引的不法行為の関与者の責任」について報告

平成29年7月15日,早稲田大学の瀬川信久教授が代表をされている不法行為制度研究会にお呼び頂き,「取引的不法行為の関与者の責任」について,報告をさせて頂きました。

同日は,多くの,重鎮の民法の先生方がいらっしゃった上,私の報告の前に,齊藤雅弘弁護士から「プラットフォーム事業者の責任―日本法の現状と課題―」という素晴らしい報告がありましたので,私の拙い報告をするのはとても恐縮したのですが,できるだけ,現在の実務に沿った報告をさせて頂きました。

取引的不法行為の関与者の責任を追及する場合,共同不法行為責任や幇助責任を追及することになるのですが,共同不法行為責任に関する学説は,公害事件等を中心に議論が発展してきた側面があり,取引的不法行為の分野においては,未だこれを整理した論説は多くはありません。私が事務局長をしていた先物取引被害全国研究会や,東京投資被害弁護士研究会では,これらの分野について,様々な研究や報告をしてきましたが,やはり深い考察に基づいた学説となるには,研究者のお力が必要です。

以下は,報告の目次です。

 

取引的不法行為の関与者の責任

第1 総論

1 取引的不法行為において関与者の責任を追及する理由

2 裁判実務における問題点 

3 取引的不法行為の関与者の形態

 

第2 勧誘に関与していない者の共同不法行為(幇助)責任

1 序論 

2 責任を肯定した事例(東京地判平成20年12月22日,証券取引被害判例セレクト33巻341頁,ウエストロージャパン。参考裁判例①) 

3 責任を否定した事案(東京地判平成25年8月22日,未公刊。参考裁判例②)

4 検討

 

第3 取引ツール提供者の責任

1 序論

2 電話の契約手続をした者の責任  

3 私設私書箱事業者の責任(東京地判平成26年12月10日,消費者法ニュースNo103等。参考裁判例④-1)

 

第4 まとめ

以 上

 

ZAITEN 2017年5月号にコメント

ZAITEN 2017年5月号の記事「みずほ『情報提供同意書』であなたの資産は丸裸」に,東京地判平成28年6月17日(金融・商事判例No1499,No1511等)の件で取材依頼があったので,コメントをしました。

私のコメントだけでも1ページ近くの分量を取って頂きました。「やりたいと思っていない人に勧誘して取引をさせるというのが根本的におかしいわけで、特に銀行側は自分たちが顧客に信用されていて、顧客の個人情報をもっているという責任を自覚してもらいたい。」などの私のコメントが掲載されています。

ご興味がおありになる方は,よろしければご覧ください。

東京地判平成28年6月17日の判例解説が掲載されました

私が担当した,認知症高齢者が,みずほ証券の仕組み債を購入した事案について,適合性原則違反・説明義務違反が認められた東京地判平成28年6月17日が,金融商事判例No1511の「金融取引の適合性原則・説明義務を巡る判例の分析と展開」に掲載されました。

私もよく知っている,あおい事務所の津田顕一郎弁護士に詳細な解説を書いて頂きました。特に,過失による適合性原則違反,過失相殺に関する論考は非常に詳細で私自身も勉強になります。

加藤新太郎先生,奈良輝久先生が編集されていますが,他にも重要判例が多数掲載されておりますので,よろしければお手に取って頂ければと思います。

「わたしは消費者」147号及び消費者法ニュース110号 に執筆

東京都消費生活総合センターが発刊している,教員向け消費者教育情報提供誌の,「わたしは消費者」147号(平成29年3月1日号)で,「民法(一般法)と消費者契約法・特定商取引法(特別法)の関係」と題する原稿を執筆しました。

わたしは消費者」は,主に法律家ではない,都内の学校の教員(及び学生)向けの雑誌です。東京都の消費生活アドバイザーをやっている関係で,「民法と消費者特別法の関係について書いて下さい」という御
依頼がありましたので,書かせて頂きました。なるべく,図やイラストを用いて分かり易く書いたつもりです。もうしばらくしたら,WEBでも閲覧できるようになりますので,ご興味がおありになる方はご笑覧ください。

もう1つ,以前のブログ記事に書いた,CO2排出権取引について賭博行為で無効とする判決の解説(判決和解速報)を,消費者法ニュース110号に執筆しました。こちらは,通常の判決速報になります。

・・・いずれも,一般の方向けのものではありませんが,本業で,論文や原稿を御依頼されるのは非常にありがたいことですので,今後も機会があれば積極的に書いていきたいと思います。

【3月6日追記】 ネット版がアップされました。下記をご覧下さい。

レンタルオーナー商法に関するトラブルについて 講演を行いました(H28.11.24,11,29)

平成28年11月24日と11月29日に,消費者センターの相談員さん向けに,「レンタルオーナー商法に関するトラブルについて」と題する講演を行いました。

 レンタルオーナー商法とは,業者から,電話や訪問などで,「元本保証で高利回り」などとあたかも“投資”や“出資”,“預金”かのように勧誘され,商品の売買契約と,賃貸借(レンタル)契約等を同時にしたが,約束どおりの「賃料」や出資金が返還されない,という商法をいいます。同種の被害は,古くから形を変えて存在しており,従来は,特にクレジットやリースを利用したレンタル商法が目立っていましたが,近時では,クレジットやリースを利用しない,法律の隙間を狙おうとする,集団投資スキーム型や現物取引型の,レンタルオーナー商法の被害が目立ってきています。  

 http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20160908_1.html

今回は,(従来型の)クレジットを利用したレンタル商法について概観した上で,近時のレンタルオーナー商法にかかるトラブルについて解説しました。以下,講義で報告したレジュメの標題部分のみ,引用致します(もし,講義やレジュメの内容の詳細等について知りたいという方がいらっしゃいましたら個別にご連絡下さい。)。

 

 

第1 はじめに

 1 概要                                 

 2 クレジット・リースを利用した(従来型の)レンタル商法

 3 近時被害が増加しているレンタルオーナー商法(平成28年9月8日 国民 生活センター公表記事)

第2 レンタルオーナー商法の問題性

 1 法の隙間を狙った商法である〜どの法律が適用になるのか曖昧

 2 事業,契約の実態が不明である

第3 レンタルオーナー商法と金商法

 1 金融商品とは

 2 集団投資スキームとは

 3 適格機関投資家等特例業務とは

第4 レンタルオーナー商法と特商法

 ・ 現行の特商法における適用関係の考え方

【ポイント: 今回の特商法の改正について】

〜 仮想通貨,外国通貨などはどうか?

第5 レンタルオーナー商法と預託法

 1 預託法とは

 2 適用対象〜預託等取引契約

 3 政令指定商品・権利 

 4 規制

 5 金商法との関係 

 6 預託法改正の必要性

第6 まとめ(レンタルオーナー商法への対応)

 1 集団投資スキーム型

 2 現物売買型

 3 その他

                                    以上

「モラハラ離婚 ケーススタディセミナー」を開催します(平成28年11月12日13時〜)

平成28年11月12日13時から,行政書士・心理士の資格を持ち,基本的に女性限定でカウンセリング等の業務も行っている佐藤千恵先生とご一緒に,

「ケーススタディ モラハラ離婚 ~モラハラ事案における離婚交渉・調停~」

と題するセミナーを開催することになりました(申込み要領は下記です。)

「モラハラ」とは,モラル・ハラスメントの略であり,近時,特に脚光を浴びるようになっている言葉です。簡単な定義付けは難しいですが,一般に,モラルによる精神的な暴力,嫌がらせのことをいうとされ,特定の人間・関係等による「支配」が伴うところに特徴があります。私は,以前から佐藤先生のお考えに共感し,また依頼者の方をご紹介頂くなどして,協力して,モラハラ事案の解決にあたってきました。

もちろん,モラハラといっても,多種多様です。中には,モラハラとは言い難い事案もありますし,身体的なDVがあるケースもあります。しかし,多数の事案を経験する中で,一定の傾向が見えてきたようにも思いますし,ご依頼者様が自分に近いと思えるケースの対応を知ることは,解決に向けた道しるべになるように思います。そういう思いで,今回,佐藤先生が開催している「女性の為の法律とこころのおはなし~今と未来 どちらの私も大切にするために」というセミナーの第4回目を一緒に開催することになりました。

当日は,実例を題材にしたケーススタディとして,モラハラ離婚を検討するに当たっての

・弁護士に依頼しないと協議や調停は難しい?

・弁護士は離婚事件にどの様に関わってくれるの?

・弁護士費用ってどの位かかるの?

・離婚するまでにどの位の期間がかかる?

・事前の準備としては何が必要?

などの弁護士に関する疑問のほか,

 

・離婚協議はどの様に進んで行くの? 

・調停ってどんな雰囲気?

・実際のモラハラ離婚ってどんな感じなのか?

・養育費や財産分与ってどうやってきめるのか

・どうやって離婚を持ち出すのか

など,様々な疑問にお答えしようと思います。

 

さらに後半が目玉企画で,実際に佐藤先生から紹介を受けて私が担当した経験者の方にご登場頂き,ご経験をお話頂くことにしています。  

なお,このセミナーでは無料法律相談チケットを配布します。

おそらくモラハラ離婚に特化して事例を元に一般向けのセミナーを行う事は,かなり珍しい機会と思いますので,参加を希望する方は是非ご参加頂ければと思います。

 

【申込み要領】 (http://ameblo.jp/cs-houmu-color/entry-12213409635.html)

  女性の為の法律とこころのおはなし~今と未来 どちらの私も大切にするために

第4回

ケーススタディ モラハラ離婚 ~モラハラ事案における離婚交渉・調停~

とき:平成28年11月12日(土) 13:00~14:45まで
12:45に開場致します

ところ:参加者にのみ通知します

(東京駅近辺です)

参加費:3,000円 当日現金で頂戴します

対    象:今後モラハラ夫との離婚を検討している女性

*女性限定*

        *お申込み方法*

ご参加希望の方は、「11月12日セミナー申込み」と明記した上で、

・お名前
・当日連絡のつくお電話番号
・メールアドレス

上記の3つを添えてメールでお申込み下さい。

メール:info@yotsuba-houmu.com

メールが利用できない方は、お電話でお申込み下さい。

     (お電話はすぐに出られない事があります 。その場合は参加希望の旨メッセージを            残して下さい。)  電話:03-3564-8177

        *先着順で定員になり次第受付けを終了します

     *お席には限りがあります為、どうか当日の無断欠席が無い様にお願い致します

第二東京弁護士会で基礎研修講座を担当(H28.9.26)

平成28年9月26日,私が所属する第二東京弁護士会の全会員向けで,「投資取引被害救済の基礎と実践」と題して,第1回の消費者基礎研修講座を担当させて頂きました。

2時間という時間の範囲内で,できる限りのことをお話させて頂きました。標題は,上記のとおりですが,調査や強制執行(債権回収)という,一般的な紛争でも生じ得る事項に関しても解説しました。

講義については,100名近くの方に参加して頂けたようで,よかったです。

特に,悪質な詐欺事案などを相手にしていると,調査や強制執行に関するノウハウがないと対応できません。これらの問題を多く取り扱うことによって,自然と知識や経験等が身についてきたものと思います。しかし,これらの運用は日進月歩ですので,私自身,日々の研究や勉強を怠らずに,精進していきたいと思います。

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【最近の著書・論文等】 金融商品取引被害救済の手引[六訂版],キーワード式消費者法辞典[第2版]

新著が2冊,発刊されました。

一冊目は,金融商品取引被害救済の手引き[六訂版]で,日弁連消費者委員会の,金融サービス部会のメンバーと,その他証券被害救済を取り扱う中心的な弁護士との共著です。私は執筆のほか,共同で全体編集も行いました。執筆者が複数いることもあり,編集には長い時間がかかったので,ようやく発刊したという感じです。

前回の五訂版から,かなり時間がかかってしまい,その間に金商法は何度も法改正を重ね(金商法は,毎年のように改正を重ねる希有な法律です),最新判例も複数出ています。この「手引」は,これらをできる限り全てフォローしています。

なお,今回の目玉としては,今まで無いのが不思議だった事項索引を付けて,より便利となっています。この種問題を扱う方は是非,お手に取って頂ければと思います。

もう一冊は,ちょっと前の6月に発刊された,キーワード式消費者法辞典[第二版]です。私は,出資法違反・組織的詐欺と,MRI事件の項を担当しました。1項目1頁のキーワード式の書籍で,15分野・370項目について簡明な解説を施して,事項索引・判例索引も収録しており,すぐに検索でき,理解・応用がしやすい書籍になっています。

こちらも,お手に取って頂けると幸いです。

WEB版国民生活の4月号に,先物取引の不招請勧誘規制見直しについて執筆

WEB版国民生活の4月号で,商品先物取引の不招請勧誘規制の見直しについて書きました(http://www.kokusen.go.jp/pdf_dl/wko/wko-201504.pdf)。

一般の個人に対し,電話・訪問によって先物取引を勧誘することは法律(商品先物取引法)で禁止されているのですが,省令を改正することで,これを大幅に緩和するという「見直し」です。私はこの「見直し」には大きな問題があると思っており,原稿依頼の趣旨に反しない限度でそのことも書かせて頂きました。

先物取引の取組み高が減っていると言っても,過去に多くの問題を引き起こした,一般個人への無差別の電話・訪問勧誘にすがるようでは未来がなく,発想を変えるべきと思います。

なお,同じ号で,大先輩の桜井先生や平澤先生,高木先生も書かれています。   WEBで全文が見られますので,ご興味のある方は,よろしければ一読下さい。