「不動産取引と消費者トラブル」について講義(H27.10.22及びH27.10.26)

平成27年10月22日と26日の2回,別々の場所で,「不動産取引と消費者トラブル」と題して,東京都の消費生活相談員を対象とした講義を行いました。

不動産に関する取引は,事業者と消費者との間の契約とは限りません。宅建業者という専門家同士の契約や,宅建業者でなくとも事業を営んでいる法人間での契約,一般の個人間での契約など,様々な形態が考えられます。

不動産取引については,私も弁護士として,売主側・買主側,賃貸人(オーナー)側・賃借人側,管理組合側・組合員側,宅建業者・請負業者側など,様々な立場から携わってきました(不動産損害額・評価額算定事例集という書籍の執筆にも協力したことがあります。http://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_0578.html)。

今回は,事業者と消費者の間のトラブルという視点からの講義でしたが,また機会があればさらに経験を積んで,講義や相談に臨みたいと思います。

なお,不動産取引にかかる消費者トラブルについては,ちょうど,東京都が,「Reilis&Company株式会社(レイリスアンドカンパニー)」という業者に対して,東京都消費生活条例第48条に基づく勧告を行っていました。http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2015/10/20pas300.htm

「断る理由がないじゃないですか」,「真面目に話を聞かないのは失礼じゃないか」などと消費者を威迫して投資用マンションの契約締結を勧誘していたということですが,最近,また投資用マンションやその他のマンション等の強引な勧誘にかかるトラブルが増えているように思います。

ほかに最近多いのは,以前に原野商法の被害に遭った人を対象に,「土地を買いたい人がいる」「高価格で売却できる」などと言って強引にさらに原野を販売するという二次被害です。http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20141107_1.html

このような二次被害も全国的に急増しているようで,さらに注意が必要です。

長期間の管理費滞納に対する対応(無剰余取消を避けるための59条競売)

先般,私が担当した,10年以上にわたってマンションの管理費を滞納されたという案件が解決した。

結論から言うと,滞納金全額に遅延損害金を付加した金額を回収することができ,依頼者であった管理組合の方々にも非常に喜んで頂くことができた。

 

管理費滞納に対する対応はいくつかあり,事案毎に対応していかなければならない。今回は,上記のとおり特に悪質な(滞納期間の長い)事案であり,管理組合の方々も,以前に滞納金の支払いを求めて弁護士に依頼して裁判を提起し,判決を得ていたが,解決していないということだった(差押え等が奏功せず,その後も居住と滞納が続いていた。)。

管理費の滞納について判決を得ていれば,その判決に基づいて競売を申し立てることも可能ではある。しかし,当該マンションに抵当権や税金の差押え登記等がなされている場合,通常の判決(債務名義)に基づく強制競売では,民事執行法63条によって競売が取り消されてしまうため(いわゆる「無剰余取消」),意味がない。

そこで,今回は,最も「強い」対応である,区分所有法59条1項に基づく競売許可の申立→競売申立という方法を取った。

区分所有法は,「区分所有者の共同の利益に反する行為」(区分所有法59条1項,57条1項,6条1項)に該当し,これにより「区分所有者の共同生活上の障害が著しく,他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難」(同法59条1項)な状態が生じている場合は,「訴えをもって,当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。」と定めている。                 管理費の滞納が長期間に亘る場合,上記の「区分所有者の共同の利益に反する」といえる。そして,競売で競落された場合は,滞納管理費等は競落人が引き継ぐことになるのが原則であるから,競落人から滞納管理費等の支払いを受けることができる。

今回は,上記手続によって冒頭で述べたような解決となった。

管理費の滞納問題は,金銭的な問題だけでなく,近隣関係に及ぶ事案もあり,ベストの対応を選ぶことが最も必要である。そのためには,管理組合は管理会社に委せるのではなく,弁護士等の専門家に相談して,自主的に動くことも必要だと思う。

平成26年5月17日(土)投資用マンション110番 開催

5月17日に,投資用マンション被害対策弁護団が主催で,投資用マンション被害110番を実施します。

概要は以下のとおりです。お心当たりの方はお気軽にご連絡下さい。

http://credit-lease.sakura.ne.jp/05_else/issue_mansion.html

(以下,クレジット・リース弁護団のHPより転載します。)

最近、悪質な業者による投資用マンションの販売を巡るトラブルが増えています。

新たな手口の特徴としては
・婚活サイトや合コンなどの出会いの場を悪用する
・勧誘目的を隠して近づき、相手の警戒心を解く
・結婚や交際への期待を巧みに利用する
などがあります。

そして、悪質な業者は、購入のリスク等について詐欺的な説明をし、実際の相場
よりもはるかに高い価格で投資用マンションを購入させます。
投資用弁護団は、本年2月26日にそういった悪質業者らを相手とする集団訴訟を
提起し、そのニュースは全国的に報道されました。

今回、当弁護団では、まだ誰にも相談できずに悩んでいる悪質マンション販売の
被害者の方が多数おられるのではないかと考え、投資用マンション被害110番
という形で電話無料相談を実施することにしました。
投資用マンション購入を巡りお悩みの方は、お気軽にお電話下さい。

投資用マンション110番チラシ_20140517.jpg

■日時・電話番号など
日にち :平成26年5月17日(土)
受付時間:10時~16時
電話番号:03-3393-0377(当日限定の電話番号です。)
※電話相談は無料です。

■ この110番に関するお問い合わせ先
Tel 03-5570-5671 Fax 03-5570-5674
〒107-0052 東京都港区赤坂3-9-18
赤坂見附KITAYAMAビル3階 アクト法律事務所
平澤 慎一

■ 被害相談の受付窓口

Tel 03-5570-5671 Fax 03-5570-5674
〒107-0052 東京都港区赤坂3-9-18
赤坂見附KITAYAMAビル3階 アクト法律事務所
平澤 慎一

カンボジア不動産投資被害(詐欺)の事案について,勝訴判決を獲得しました。

平成26年1月17日,以前から何度かこのブログでご紹介していた,カンボジアの不動産投資を騙った投資詐欺の事案について,当方の主張を全面的に認め,弁護士費用を加えた3564万円の返還を命ずる勝訴判決を獲得しました。

この件については,私も所属しているカンボジア不動産投資被害弁護団に所属する弁護士が担当した,カンボジアの「農地」の売買に関する事案について,平成25年11月6日に,被害者の請求を全面的に認容する判決が既に下されていました。 (http://can-higai.sakura.ne.jp/archives/298

今回の判決は,同じ業者らが勧誘していたカンボジアの「マンション」に関する事案についても,「いわゆる組織的な劇場型詐欺が行われたものと認められる」として,同業者らの共同不法行為責任を端的に認めたものです。

今回の事案は,取引当時,74歳と高齢であった被害者の老後資金を,3240万円も奪ったという特に悪質な事案でした。したがって,当方の請求が認容されたことは当然であると考えていますが(なお,何故か被告から反訴を提起されていましたが,当然これは棄却されています。),同業者において「農地」だけでなく「マンション」に関しても,違法な勧誘がなされていたことが認定されたという点で,意味があったと思います。

今後も同種事案については判決が積み重ねられていくと思われます。事案の詳細については,弁護団のHPをご覧下さい。

http://can-higai.sakura.ne.jp/

投資用マンションの勧誘に関するトラブル(被害)について

最近,投資用マンションの勧誘によるトラブル(被害)の相談が増えている。

投資用マンションとは,第三者に賃貸するなどして利回り(賃料収入)を得ることを目的として保有するマンションの事で,売れ残り物件と思われるワンルームマンション等が多い。狙われているのは,公務員や看護士など,固い職業に就いていてローン審査の通りやすそうな職業の方が多いように思われる。これらの方々は,自分の専門でない「不動産」や「投資」については,意外と知識がない方が少なくないので,その点を付け込まれている可能性がある。

投資用である以上,本来は,毎年の利回りがどの位かや,将来の価格下落や空室・改修・需要低下等のリスクがどの程度かを検討しなければならないはずだが,最初から赤字(賃料よりも毎月の返済金の方が多い)の物件でも,業者は「月々・・・万円の支払いで,将来,年金代わりになるマンションを持てますよ。」などと言って勧誘してくる。上記のリスクについては殆ど説明しない。

特に近頃では,婚活サイトから知り合った異性から,投資用マンションの購入を勧められたという相談が増えている。いわゆるデート商法(異性の恋愛感情を巧みに利用して高額な商品を売りつけたりする商法。群馬県ホームページ等を参照して下さい。 http://www.pref.gunma.jp/05/c0900097.html)の亜流である。

何度かメールのやりとりをしたうえで,実際に会うようになってから,それとなく結婚を匂わすなどして,節税対策とか将来の年金代わりとか,いかにも二人の将来のためにマンションを購入するのだというニュアンスを漂わせたりする。しかし,投資用マンションを購入したとたん,今まで頻繁にあったメールも電話も激減して連絡がとれなくなり,ようやく事態に気が付いて購入した投資用マンションを処分しようとしても,ローンの残高に遙かに足りず売るに売れなくなる。

このような投資用マンションのトラブル(被害)の解決に関して,例えばデート商法については,京都地判平成19年12月19日などの(被害者側勝訴の)裁判例があるものの,参考となる裁判例は多いとはいえない(静岡地裁の裁判例があったが控訴されてその結論は維持されていない。)。事案によっては,必ずしもその解決が容易でないことも確かであるが,和解により解決した事案も多数ある。           そして近時,同じ業者,同じ金融機関によるトラブル(被害)が多発していることからすると,今後複数の案件が訴訟等に発展する可能性は高いと思う。

心当たりのある方は,ご連絡頂きたい。

【クレジット・リース弁護団】(投資用マンション被害について)

http://kajouyosin.com/mansion.htm

【国民生活センターHP】

ますますエスカレートするマンションの悪質な勧誘
-増加する「強引・強迫」「長時間」「夜間」勧誘
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20101125_1.pdf

平成25年8月30日 カンボジア不動産投資被害110番実施(弁護士による無料電話相談)

平成25年8月30日に「カンボジア不動産投資被害110番」(弁護士による無料電話相談)を実施します(http://can-higai.sakura.ne.jp/archives/60)。

カンボジアにおける「農地使用権」や「高齢者向けアパートメント」等への投資勧誘被害が高齢者を中心に急増しています。そこで、カンボジア不動産投資被害弁護団(東京投資被害弁護士研究会の有志弁護士から成る弁護団)は、下記日時に無料電話相談を実施いたします。お気軽にご相談ください。
【実施日時】
平成25年8月30日(金)
午前10時〜午後4時
【電話番号】
03-5212-2661
※上記電話番号は当日のみの使用となります。ご了承ください。【電話相談料】
当日の電話相談は無料です。
ご相談の結果、担当弁護士との面談相談を行う場合の面談相談料も無料です。
弁護団にご依頼する場合の弁護士費用は有料です。【被害の特徴と110番実施の目的】
よく見られる手口は、案内パンフレットなどが自宅に送られてきた後にパンフレットに書かれたのとは別の業者を名乗る者から「当社の代わりに買ってくれれば何万円で買い取る」等と高額の転売買取を持ちかけて勧誘するケースですが、その他にも高配当や高利回りの賃料収入を約束して勧誘するケースなど様々です。
潜在的な被害者を掘り起こし、救済を進めるため、この度、被害110番を実施いたします。

 

カンボジア不動産投資被害弁護団結成

カンボジア不動産投資被害弁護団を結成しました。

http://can-higai.sakura.ne.jp/

新興国であるカンボジアの不動産へ投資すると称する被害事案については,平成24年5月24日の時点で国民生活センターが,『今度は“カンボジアの土地使用権”! 依然続く劇場型勧誘 -「リゾート地」「農地」の投資話にご用心-』と題して注意喚起するなど,従前から知られていました。

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/07/20n7i100.htm

しかし,その後も,私が事務局長を務めている東京投資被害研究会にも同種の被害相談が後を絶たず,平成25年7月18日の時点では,東京都消費者被害救済委員会が,「カンボジアのアパートメント売買契約に係る紛争」の処理を付託したと公表するなどしていました。
これらの被害は,そのほとんどが,高齢者に対して,二次代理店やいわゆる買取業者等を名乗る者らが複数登場する劇場型勧誘を行い,「・・倍で買い取ります」とか「あと・・万円を払わないと大変なことになります」などと言って,現金ないし郵便小為替を送付・交付させるなどの方法により,高額の被害を発生させるというものです。                                    このような行為が違法であることは当然ですが,上記のような注意喚起にもかかわらずなかなかこの種被害が撲滅されないことから,この度,弁護団を結成することとなりました。

被害に悩む方がいらっしゃいましたら,是非,ご連絡下さい(費用も,着手金最高30万円と低額に設定しています)。

不動産損害額・評価額算定事例集 判例追加

新日本法規出版から出版されている、不動産損害額・評価額算定事例集という書籍の共同執筆していたのですが(不動産価額評価実務研究会編集、代表/馬橋隆紀弁護士)、この度、新しい判例評釈の執筆を2つほど追加で担当しました。

http://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_0578.html

この本は、以前も書いたとおり、いわゆる加除式(差し替え式)の書籍で、弁護士等の専門家を対象とした本ですが、このように随時新しい裁判例を追加していますので、よろしければ是非ご覧下さい。

不動産損害額・評価額 算定事例集

このたび、新日本法規出版から出版された、不動産損害額・評価額算定事例集という書籍の共同執筆に参加いたしました(不動産価額評価実務研究会編集、代表/馬橋隆紀弁護士)。

http://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_0578.html

内容は、不動産の評価に関する民事判決の中から、実務上参考となる判例を取り上げ、その評価方法等について解説するというものです。
いわゆる加除式(差し替え式)の書籍で、定価11025円という、弁護士等の専門家を対象とした本ですが、不動産の評価に関する最新の民事判決を集めた充実した内容となっておりますので、皆さんの参考になれば幸いです。