長期間の管理費滞納に対する対応(無剰余取消を避けるための59条競売)

先般,私が担当した,10年以上にわたってマンションの管理費を滞納されたという案件が解決した。

結論から言うと,滞納金全額に遅延損害金を付加した金額を回収することができ,依頼者であった管理組合の方々にも非常に喜んで頂くことができた。

 

管理費滞納に対する対応はいくつかあり,事案毎に対応していかなければならない。今回は,上記のとおり特に悪質な(滞納期間の長い)事案であり,管理組合の方々も,以前に滞納金の支払いを求めて弁護士に依頼して裁判を提起し,判決を得ていたが,解決していないということだった(差押え等が奏功せず,その後も居住と滞納が続いていた。)。

管理費の滞納について判決を得ていれば,その判決に基づいて競売を申し立てることも可能ではある。しかし,当該マンションに抵当権や税金の差押え登記等がなされている場合,通常の判決(債務名義)に基づく強制競売では,民事執行法63条によって競売が取り消されてしまうため(いわゆる「無剰余取消」),意味がない。

そこで,今回は,最も「強い」対応である,区分所有法59条1項に基づく競売許可の申立→競売申立という方法を取った。

区分所有法は,「区分所有者の共同の利益に反する行為」(区分所有法59条1項,57条1項,6条1項)に該当し,これにより「区分所有者の共同生活上の障害が著しく,他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難」(同法59条1項)な状態が生じている場合は,「訴えをもって,当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。」と定めている。                 管理費の滞納が長期間に亘る場合,上記の「区分所有者の共同の利益に反する」といえる。そして,競売で競落された場合は,滞納管理費等は競落人が引き継ぐことになるのが原則であるから,競落人から滞納管理費等の支払いを受けることができる。

今回は,上記手続によって冒頭で述べたような解決となった。

管理費の滞納問題は,金銭的な問題だけでなく,近隣関係に及ぶ事案もあり,ベストの対応を選ぶことが最も必要である。そのためには,管理組合は管理会社に委せるのではなく,弁護士等の専門家に相談して,自主的に動くことも必要だと思う。

金融商品(投資)被害110番 結果速報(合計73件)

2月26日の110番は,下記のNHKニュースで取り上げて頂いたおかげで非常に相談件数が多く,合計73件の相談がありました。

この相談件数は,近年にない多さで,投資被害が根絶されていないこと,いわゆる「眠っている」被害が多いことを裏付けていると思います。

当日,お電話が繋がらなかったという方もいらっしゃるかもしれません。大変申し訳ございませんでした。詳細な集計結果が出ましたら,また東京投資被害弁護士研究会のホームページ(http://www.tokyosakimonosyokenhigai.com)でご報告します。

以下は流して頂いたニュースの内容です。

「NHK 首都圏NEWS WEB  より引用

「金融商品取引被害110番」

02月26日 11時43分
投資詐欺などの被害が後を絶たないことから、消費者問題に詳しい弁護士が電話で相談に応じる「金融商品取引被害110番」が、東京で行われています。      この電話相談は、消費者問題に詳しい東京の弁護士のグループが、毎年行っているもので、26日午前10時から東京・千代田区にある弁護士事務所で9人の弁護士が交代で相談に応じています。・・・島幸明弁護士は「高齢者の資産を狙った悪質な投資詐欺が多いので、少しでも勧誘の内容がおかしいと思ったら消費者センターや弁護士に相談してほしい」と話していました。