弁護士業務妨害対策委員会講義(平成26年3月24日)

平成26年3月24日,第二東京弁護士会の弁護士業務妨害対策委員会の主催で,業務妨害対策の基礎について,講義をしました。

最近の傾向として,業務妨害の態様は多様化しています(最近では,2ちゃんねるに削除要請等をした弁護士からの相談がありました)。

また,「実在する弁護士・法律事務所名等を騙る詐欺」が急増しており,「Niben通信」2013年10月号では,全会員を対象として被害実態調査アンケートを実施しています。

アンケート結果は、概ね下記のとおりでして,決して無視できない数の事例が存在することになります。特に弁護士名を騙った詐欺については,弁護士に対する業務妨害という側面よりも,実際に被害者を生じさせる可能性の高いものですから,厳正な対処が望まれます。

 

 

2014年3月25日(火) 【電話相談無料】投資被害110番開催

例年実施する投資被害110番を,下記の日時で開催します。             最近の投資被害は,本当に様々な態様のものが出現しており,玉石混交です。我々弁護士も日々研鑽を積んでいます。

もし,お悩みの方がいらっしゃいましたら,是非,お電話下さい。宜しくお願い致します。

先物取引被害全国研究会では、毎年、金融商品に関する110番を実施しています。近時の委託者保護強化を1つの柱とする各種法改正により、国内外の商品先物・FX等に関する被害相談は減少したとされていますが、未公開株・社債等の悪質な金融商品に関するトラブルは後を絶ちません。また、貴金属や海外の不動産のほか、近時は仮想通貨を利用した「投資」トラブルや、仕組み債等の複雑な金融商品を対象とした被害相談も、関連機関相談窓口へ多数寄せられています。

今回の110番は,全国一斉に行われるものですが,東京においては当研究会が、金融商品トラブルに関する調査及び被害回復のための無料電話相談を実施し、これらの問題に詳しい弁護士が、対処の方法について適切なアドバイスを行います。お困りの方はぜひご利用ください。

日時:2014年3月25日(火)  午前10時~午後4時

電話番号:03-3591-5115 *当日のみの電話番号となります

相談対象:国内外の先物取引・オプション・FX・貴金属スポット取引(ロコロンドン・CFD)・未公開株・ファンド・社債・仕組債・保険・現物まがい商法・医療機関債等,金融商品(投資)被害全般

相 談 料:無料(※面接相談以降は有料)

主催:東京投資被害弁護士研究会(http://www.tokyosakimonosyokenhigai.com)

問合せ先:事務局長弁護士 島   幸  明(Tel :03-3567-0301)

事務担当弁護士 金 田 万 作(Tel :03-3356-7617)

医療事故センターニュース 判決速報に掲載されました

私が担当したさいたま地判平成25年12月26日について,概要を解説した原稿が,医療事故センターが発行する「センターニュース」の平成26年3月1日号に掲載されました。

以下がその原稿の概要です(長いので若干短くしています。)。

 

糖尿病に罹患している患者が低血糖症で入院することになった際の,定期的な血糖値測定及びインスリン投与を怠った過失があるなどとして,主治医及び病院の責任を認めた事例

島 幸明(第二東京弁護士会)

さいたま地方裁判所平成24年(ワ)第1017号
判決日:平成25年12月26日(1審確定)

1 概要
本件は,糖尿病(2型)に罹患し,血糖値の自己測定及びインスリン注射による治療をしていた故人(患者)が,平成22年2月20日,低血糖による昏睡により被告病院(脳神経外科病院)に搬送され,主治医である被告医師の判断により入院することになったところ,入院中に行うべき定期的な血糖値測定及びインスリン注射等を怠り,その後DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)の発症がみられたにもかわらず,血糖値が1000mg/dl以上になるまで放置し,故人を6日後に死亡させたという事案である。

2 経過
平成22年2月20日午後1時30分 低血糖症で搬送(脳梗塞が疑われたため,脳神経外科である被告病院に搬送)
同日午後2時30分 意識回復
同日午後4時    血糖値117
その後,血糖値測定及びインスリン注射を指示・実行せず,22日より嘔吐等の症状。
平成22年2月24日午前9時 昏睡,血糖値1000mg/dl以上
平成22年2月26日午前1時5分 死亡
平成23年9月15日 受任
平成24年4月23日 提訴
平成25年12月26日 判決,確定

3 争点
(1)被告らの過失
① 定期的な血糖値測定及び適切なインスリン投与を行うべき注意義務があったのにこれを怠った過失があったか。
② 平成22年2月22日以降,DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)の発症を疑わせる徴表があったのに,なお血糖値測定及びインスリン投与を怠った過失があったか。
(2)損害(逸失利益の算定)

4 判決
(1)判決では,上記①の過失については,「インスリンの投与を受けている糖尿病患者であり,しかも,低血糖のためブドウ糖液の投与を受けたばかりである患者を被告病院に入院させるにあたっては,血糖値を把握し適切に血糖コントロールを続けるため,遅くとも2月21日から少なくとも1日1,2回の血糖値測定を行うべき注意義務を被告医師は負っていたと認められる。そして,当該義務は,糖尿病の専門家に限らず広く医師一般に課される義務と考えられる」とし,上記②の過失については,22日午後6時の「時点で血糖値を測定していれば高血糖と測定され,すぐにインスリンの投与を再開すべき状態であったと認められる。したがって,被告医師には,同日午後6時の段階でインスリンの投与を行うべき義務があったと認められる」として,2重の過失の存在及び死亡との因果関係を認め,不法行為に基づく損害賠償請求を認容した。
(2)損害については,故人は,死亡時は退職して無職であったものの,①年金支給分に係る逸失利益(14年の喪失期間)のほか,②就労の意欲等があったものとして労働能力喪失にかかる逸失利益(70歳以上の平均賃金。7年間の喪失期間)をいずれも認めた。

5 コメント                                被告病院の過失が認められたのは当然であるが,ご遺族の方々は①の過失に重点を置いていたので,これが認められて安心した。損害論についても,故人が持っていた多数の資格証書等を遺品から発見するなどして立証した結果,ある程度満足のいく認定がなされた。故人が帰って来ることはないが,本件によって糖尿病患者に対する一般の医師の方々による注意が僅かでも高まることがあれば何よりだと思っている。