商業登記(法人登記)制度の改正に関する意見書

私が中心となって起案した,商業・法人登記制度に関する意見書が第二東京弁護士会から公表された。
http://niben.jp/info/opinion20111214-1.pdf

現 行の商業登記規則61条2項は,「設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑 につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾した ことを証する書面の印鑑についても、同様とする。」として,要するに取締役が就任する際には,就任承諾書面に押捺する印鑑について,印鑑登録証明書を添付 しなければならないとしている。
しかし,同規則61条3項は「取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中『設立時取締役』とあ るのは『設立時代表取締役又は設立時代表執行役』と、同項後段中『取締役』とあるのは『代表取締役又は代表執行役』とする。」としており,要するに,就任 承諾書面に押捺する印鑑について,印鑑登録証明書の添付による確認が求められるのは,代表取締役に限られるとしている。

今回の意見書は,上記条項を改正し,平取締役及び監査役についても,就任時の承諾書面に押捺する印鑑について,印鑑登録証明書の添付を求めるというものである。

なぜ,上記のような改正を求めたいのか。
近 時,未公開株商法や社債商法に代表される,会社の信用力を利用した違法商法が多発している。私たち弁護士が被害者を代理して,これら違法な会社の取締役ら をも被告として,訴訟を提起しようとする。しかし,取締役の住所は登記事項ではないため,登記を見るだけではこれを知ることはできない。そこで利害関係を 疎明して登記申請書類を閲覧してみる。けれども,商業登記規則61条3項の規定があるため,平取締役については株主総会議事録に平取締役の記名と三文判が 押されているだけであったりして,住所を調査することもできず,従って訴訟を提起することができないなどの障害が生じる。
そればかりではない。印 鑑登録証明書の添付を求めないということは,住所だけでなく氏名の真実性及び意思確認の担保もないということである。取締役として登記されている者が偽名 で存在しない可能性すらある。或いは,誰でもが,全然知らない会社の取締役に勝手に登記されている可能性すらあるのである。このような事態が現実に存在す る以上,改善策を講ずるべきであるのは当然と考える。

従前から,いわゆる「名目的取締役」の責任という論点があった。これは,取締役への 就任自体については承諾したが,経営には関与していない者について,責任を問えるかという問題であり,今回問題視している点とはちょっと質が異なる。しか し,このような問題が生じるのは,結局,取締役へ就任することへの覚悟が不足しているところに要因がある。承諾書面に対して実印を押捺し,更に印鑑登録証 明書を添付することは,その覚悟を求めるための1つの踏み絵になろう。

余計な事務の煩瑣を強いるのではないかという意見もある。しかし, 就任時に1回印鑑登録証明書の添付を求めるだけである。大した煩瑣ではない。しかも今は取締役は一人でもよい。その程度の煩瑣が嫌であれば,複数の取締役 登記をしなければよい。また,誤解がないように付け加えておくが,印鑑登録証明書を添付することにしても,登記に記載される訳ではないし,一般の人が誰で も見られる訳でもない。

詳細は意見書を見て頂きたい。現行の株式会社制度の問題はこれにとどまるところではないが,小さな一歩でも,変えられるところから変えていくべきという意味での問題提起の意見書と位置付けている。

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