無登録ファンド JAM 社長逮捕へ

以前に紹介した,JAM株式会社(JAM)の代表取締役である網中徳次容疑者ら四名が,本日,詐欺容疑で逮捕されました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009061702000238.html

同 時に,JAMの経理担当マネジャーと,株式会社BENE(BENE)の元社長,同社経理担当者も逮捕されているという報道がなされていますが,これは BENE及びJAMが,ベトナムの未公開株を購入するとして金員を集めた行為を,被疑事実としているからであると思われます。
しかし,報道でもあるとおり,JAMがお金を集めた手口はこればかりではなく,むしろ多くは,日経225,FX自動売買システム,リゾート開発等による運用を名目とするものです。今後の捜査で,これら全てに関する運用の実態等が明らかになることが望まれます。

な お,私が担当していた裁判は,既にJAM,BENEらが全額の支払義務を認める形で解決していましたが(一部支払済),今月,更に他の複数の被害者の方を 原告にして,JAMらに対する訴訟を提起しました。ところが,裁判におけるJAMの連絡先が,「フロンティア倶楽部」という新たな名前に変わったという届 出がJAMからなされていました。
JAMの会員だけでなく,その他の方々も,「フロンティア倶楽部」には注意が必要です。

(弁護士 島幸明)

無登録ファンド JAMによる被害・・・ついに強制捜索へ

金融商品取引法上の登録を受けていないにもかかわらず,マルチ契約方式,匿名組合方式を利用して,広く一般消費者から金員を集めていたJAM株式会社(代 表者網中徳次)に対し,千葉県警生活経済課は18日,ついに関係先計16カ所を金融商品取引法違反容疑で強制捜索しました。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20090218-OYT8T01064.htm(読売新聞)

JAM の代表者である網中徳次は,従前は,「株式会社ソーコー21」,「株式会社パティオ東京ベイ」という会社で同様の行為を行っており,その営業をJAMが引 き継いだ形になっていました。JAMは,当初「日経225株価指数取引及び上場株式の売買」で運用を行うとしていましたが,平成19年12月ころより,配 当が滞りだし,以後は外国為替証拠金取引の自動売買システム,リゾート開発など,手を変え品を変えて更なる支払を求めるなどしていました。
これまでの千葉県警の調べでは,JAMは出資者約1万1000人から350億円ほどを集めていたことが確認されているが,出資者,出資額ともにさらに増えるとみられるとのことです。

私も現在,複数の被害者の方の依頼を受けて,支払金の返還を求める民事訴訟を追行していますが,今回の警察による強制捜索により,JAMの実態が解明されることを期待します。

(弁護士 島幸明)

判決事例報告(商店街振興組合法に関する裁判例)

皆さんの街にある商店街の多くは、商店街振興組合法に基づく組合を結成しています。商店街振興組合法とは、商店街で事業を営む者等が協同して経済事業を行なうとともに、当該地域の環境の整備改善を図るための事業を行なうのに必要な組織等について定めた法律です。

商店街振興組合法が定めている商店街振興組合は任意団体であり、加入・不加入の自由が認められ、また組合に加入したか否かについては、出資の払込を必要とされる出資組合です。
本判決は、組合費を払っていたことがあったとしても、出資の払込をしていない者は、法律上組合員とは認められないと判示し、また組合費を支払う旨の黙示の合意の成立も否定したものです。

(判決文はこちら)
第1審http://nishiginzalaw.com/toukyouchisai190726.pdf
第2審http://nishiginzalaw.com/tokyokousai191115.pdf

理論上当然の判断ではありますが、商店街振興組合において、出資の払込を求める手続がなおざりにされていることに警鐘を鳴らすものとして、参考になります。また、商店街振興組合法に関する裁判例は殆ど刊行物に掲載されていないことから、紹介することにしました。

な お、平成19年4月1日から中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律(平成18年6月15日、平成18年法律第75号)が施行され、これにより改正商 店街振興組合法も施行され運営方法が変わります。会社法施行に伴う改正ですが、小さな改正ではないので、注意が必要です。商店街振興組合法については、別 に相談を受けることもありますので、追って内容等を紹介できればと思います。

(弁護士 島 幸明)

中古車 メーター(走行距離計) 改ざん事件の判決

中古車を購入した依頼者が、走行距離計の交換がされている事実について説明を受けていなかったことを理由に主位的に詐欺、予備的に消費者契約法取消を求めて、中古車販売業者に代金返金等を求めた裁判で、消費者契約法取消を認めて代金返金を認めた判決を得ました。
(判決文はこちら)
http://nishiginzalaw.com/toukyoukansai20117.pdf

本件では、走行距離計の交換の事実を説明していたか否かが主要な争点となりました。当方は、走行距離を積極的に偽って告知したものとして、詐欺による不法行 為損害賠償請求をしたのですが、判決では、積極的に偽ったとまでは言えないけれども、走行距離が不明であることにつき説明をしていなかったと認定され、自 動車の代金額についてのみ支払を命じました。

中古車の走行距離改ざんは、比較的よく耳にする話ではありますが、判決に至ったケースは多く はないようです。中古車の走行距離は、中古車取引において極めて重要な要素ですから、その点についての説明不足や事実に反する説明があった場合には、取消 が認められてしかるべきであろうと思います。

(弁護士 西牧佑介)

 

判決事例報告(商品先物取引:対ローズコモディティ)

商品先物取引(対ローズコモディティ)の事案で、以下の勝訴判決を得ました。

http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/071029-t.html

商品先物取引とは、小豆等の商品を、ある一定の日を受渡しの日と定めて、今の時点でその価格を取り決め、その日になったら代金と品物とを受渡しする取引のことです。

商品先物取引は、リスクが極めて高く、その構造も複雑な上、(ネット取引でないと)手数料も高いことから、これまで多くの被害を生んできました。
そこで弁護士も、これらの被害について古くから研鑽を重ね、多くの裁判例が積み上げられてきました。私(島幸明)が現在事務局を務める商品先物取引被害研究会(http://futures.ferio.net/fc/)でも、毎年2回の研究会が実施され、全国の弁護士が活発な議論を行っております。

本事案はその中の一つの事例ですが、過去にFX(外国為替証拠金取引)の取引がありながら適合性原則違反を認めた点、過失相殺を2割とした点などに特徴があります。皆様の参考になれば幸いです。

(弁護士 島幸明)