判決事例報告(商店街振興組合法に関する裁判例)

皆さんの街にある商店街の多くは、商店街振興組合法に基づく組合を結成しています。商店街振興組合法とは、商店街で事業を営む者等が協同して経済事業を行なうとともに、当該地域の環境の整備改善を図るための事業を行なうのに必要な組織等について定めた法律です。

商店街振興組合法が定めている商店街振興組合は任意団体であり、加入・不加入の自由が認められ、また組合に加入したか否かについては、出資の払込を必要とされる出資組合です。
本判決は、組合費を払っていたことがあったとしても、出資の払込をしていない者は、法律上組合員とは認められないと判示し、また組合費を支払う旨の黙示の合意の成立も否定したものです。

(判決文はこちら)
第1審http://nishiginzalaw.com/toukyouchisai190726.pdf
第2審http://nishiginzalaw.com/tokyokousai191115.pdf

理論上当然の判断ではありますが、商店街振興組合において、出資の払込を求める手続がなおざりにされていることに警鐘を鳴らすものとして、参考になります。また、商店街振興組合法に関する裁判例は殆ど刊行物に掲載されていないことから、紹介することにしました。

な お、平成19年4月1日から中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律(平成18年6月15日、平成18年法律第75号)が施行され、これにより改正商 店街振興組合法も施行され運営方法が変わります。会社法施行に伴う改正ですが、小さな改正ではないので、注意が必要です。商店街振興組合法については、別 に相談を受けることもありますので、追って内容等を紹介できればと思います。

(弁護士 島 幸明)

中古車 メーター(走行距離計) 改ざん事件の判決

中古車を購入した依頼者が、走行距離計の交換がされている事実について説明を受けていなかったことを理由に主位的に詐欺、予備的に消費者契約法取消を求めて、中古車販売業者に代金返金等を求めた裁判で、消費者契約法取消を認めて代金返金を認めた判決を得ました。
(判決文はこちら)
http://nishiginzalaw.com/toukyoukansai20117.pdf

本件では、走行距離計の交換の事実を説明していたか否かが主要な争点となりました。当方は、走行距離を積極的に偽って告知したものとして、詐欺による不法行 為損害賠償請求をしたのですが、判決では、積極的に偽ったとまでは言えないけれども、走行距離が不明であることにつき説明をしていなかったと認定され、自 動車の代金額についてのみ支払を命じました。

中古車の走行距離改ざんは、比較的よく耳にする話ではありますが、判決に至ったケースは多く はないようです。中古車の走行距離は、中古車取引において極めて重要な要素ですから、その点についての説明不足や事実に反する説明があった場合には、取消 が認められてしかるべきであろうと思います。

(弁護士 西牧佑介)